幸せという名の契約
亡き親友の望みを叶えるための、
シチリア富豪との愛なき結婚。
ある日、コリンはシチリア大富豪のラファエロに突然呼び出された。
彼は亡き大親友の夫だが、用件すら告げず、どこか不遜だ。
いぶかりながらも、指定された最高級ホテルへ出向くと、
先日発見されたという、コリン宛てに親友が遺した手紙を渡される。
そこには、幼な子を独りで育てるコリンの暮らし向きを気遣うとともに、
なんと、一人親になった両家の子供たちのために、
ラファエロと結婚してほしいと書かれていた!
親友の思いやりと優しさにあふれた遺志に、涙が頬を伝った。
でも、たとえ親友の望みでも、愛のない結婚なんてできない……。
するとラファエロが冷然と言う。「これは感情抜きの、便宜上の契約だ」
〈運命を変える手紙〉と題し、ロマンスの鍵を握る重大メッセージをきっかけに始まる物語をお贈りします。ラファエロは魅力的な男性ではあるけれど、彼との結婚は施しを受けるようで自尊心が許さない。でも子供のためを思うと……。悩めるコリンの決断は?