小説むすび | 結婚という名の悲劇

結婚という名の悲劇

結婚という名の悲劇

フィアのもとを、イタリア富豪のサントが訪ねてきた。フィアとサントの家には3代前からの確執があるが、3年前、二人は一度だけ夜をともに過ごしたことがある。その後サントはまったく連絡をくれなかったけれど、フィアは妊娠に気づき、一人で息子を育ててきたのだった。何も知らないサントは、彼の一族の事業拡大のため、フィアが息子と住む家を、土地ごと買いたいのだと言う。足元にまとわりついてきた幼子を慌てて隠そうとしていると、サントの顔色が変わったーそう、息子は彼にそっくりだった。彼が強ばった表情で言う。「土地を買うまでもない。結婚しよう」

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