スペイン公爵の愛人
その夜、ローレンは愛するラモンに妊娠を伝えるつもりだった。ところが二人の将来に話を向けたとたん、衝撃の事実を告げられた。ラモンは実はさる巨大コングロマリットの総帥であり、さらにはスペインの公爵家の跡取りだというのだ。いずれ貴族の血を引く“ふさわしい女性”を花嫁に迎える、とも。ローレンは、何も言えずに彼のもとを去るしかなかった。1年半後、育児と仕事に忙殺されるローレンの前に、ラモンが再び現れるー愛人として戻ってこいというのだ。怒りと屈辱と、愛し子の存在を知られる恐怖にローレンは震えた。そして、勝ち誇ったようにキスをするラモンへの、今も消えぬ愛に。