小説むすび | 幸せを運んだキス

幸せを運んだキス

幸せを運んだキス

兄が幸福な結婚をして以来、エミリーの心はときおり孤独に沈んだ。運命の人はどこに…だめ、美人でもない私が、幸せを夢見たりしては。ところがある日、外出中に運悪く高所から下りられなくなった彼女は、野性味漂う美しき紳士の腕に抱きとめられ、思わずキスを許してしまう。ウィリアムは花嫁候補として舞踏会で紹介された地味なレディが、先日出会った甘やかな唇の娘だと気づき、絶句した。名も知らぬ男にキスを許す娘が、社交界で評判の模範的な淑女だと!がぜん興味を引かれたウィリアムは“あのこと”を秘密にする代わりに、しばし彼の下で働かないかとエミリーに持ちかけるー。

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