ギリシアからの侵略者
名門女子校で音楽教師をしているケイトは、ある朝の出勤途中、不意に車に轢かれそうになった。車から降りてきた褐色の肌の男性はケイトを厳しく叱責し、彼女にけががないことを確認すると、あっけなく立ち去った。ほどなくケイトはその傲慢な男性が、転校してきたばかりのパラスという女子生徒の兄、マルク・リリトスだと知る。ギリシアの海運王で、はかりしれない富の持ち主だそうだ。ケイトは校長からじきじきに頼み込まれ、問題を抱えているパラスの世話を焼くようになった。その兄マルクの卑劣な誘惑に屈することになるとは予想もせずに。