小説むすび | 十二カ月の花嫁

十二カ月の花嫁

十二カ月の花嫁

図書館司書のキャラは、父の書斎で言い争う声を耳にして扉を開けた。父といたのは、非情な仕事ぶりで知られる商売敵の大富豪ヴィンス。最近、彼はキャラと顔を合わせるたびに無遠慮な視線を送ってくる。会社の不振に窮した父がヴィンスに多額の借金をし、今週末までに返せなければ、会社も家も失うという。なんてこと…。父を救うために、できることならなんでもするわ。目に無慈悲な光を宿して父を追いつめるヴィンスに、たまらずキャラは期限を1年延ばしてほしいと懇願した。ヴィンスは何か思惑ありげにうなずくと、驚くべき条件を出した!「望みを叶える代わりに、僕は担保をいただくー僕と結婚してほしい」

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