小説むすび | イタリアの花嫁

イタリアの花嫁

イタリアの花嫁

暖炉の掃除を命じられても、
屋根裏に住んでいても、私はレディ。

天涯孤独のアレグラは優しい親戚のもとに身を寄せていたが、
親戚が亡くなるや、その新妻によるいじめが始まった。
半分イタリアの血を引くアレグラを疎ましく思う新妻は、
彼女を薄汚れた屋根裏の倉庫に追いやり、メイド扱いしようとした。
そんな不遇なアレグラだったが、ある夜会で運命の出逢いを果たすーー
女性を誘惑してもてあそぶと噂の悪名高き放蕩男爵ウィリアム。
若い娘はみな怖がってこの男爵に近づこうとしないというのに、
アレグラは彼の魅力に痺れている自分に戸惑った。
さらに、その夜会で親戚の新妻がアレグラを見世物にしようとしたとき、
ウィリアムが颯爽と前に進み出て、そつなく彼女を辱めから救い……。

亡き父が音楽家で、上流階級のうるさ型からは旅まわりの楽団の娘と見下されているアレグラは、じつはイタリアの子爵の孫娘でした。そんな彼女に目をつけた社交界随一の放蕩男爵ウィリアムは、はたしてどんな意図を持って彼女に近づいてきたのでしょうか?

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