鏡の家
鏡よ鏡、いちばん美しいのはだれ?
私じゃないことは、わかってる……。
あきらめかけていた初恋の人が帰ってきた。
16歳のときからずっと、リズは12歳年上のグラントに恋していたが、
彼は美しい恋人とともに町を出ていき、外科医になった。
リズの想いはそれから長い間、胸の奥底で秘められたままだった。
そして今、奇跡が起きた。事故で負傷して戻ってきたグラントが、
献身的に彼の世話をするリズに「結婚してくれないか?」と言ったのだ!
だがグラントの言葉は本当の愛からではないと、リズにはわかっていた。
事故後、恋人に逃げられて心身が傷ついた今の彼は、抜け殻なのだ。
それでもリズは愛する人のために一心に尽くした。
いつかきっとグラントが彼女への愛に目覚めてくれる日を願って……。
南アフリカが生んだ偉大な作家Y・ウィタルによる、若きヒロインの一途な愛と献身を描いた1982年の名作です。愛されていないという不安を抱えたまま結婚するリズの前に、グラントの元恋人が現れて……。紙書籍限定の再版です!