小説むすび | 略奪された純白の花嫁

略奪された純白の花嫁

略奪された純白の花嫁

「結婚式だけでなく、きみをめちゃくちゃにしに来たんだ」見知らぬ男性がリムジンの後部座席で邪悪な笑みを浮かべた。この世のものとは思えないほど美しい男性の正体は、いま祭壇の前でプリヤを待つ花婿の異母弟、エロースだった。エロースは父親の遺産を総取りしようともくろむ異母兄に対抗し、相続の条件である結婚を壊しに来たのだという。一方、愛する父が遺した会社と従業員を守るために泣く泣く契約結婚をしようとしていたプリヤは、エーゲ海の別荘へと連れ去られてもなお、心のどこかで安堵していた。罪深いほど魅惑的なエロースに、愛なき結婚を迫られるまでは。

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