小説むすび | がちょうの乙女の忍ぶ恋

がちょうの乙女の忍ぶ恋

がちょうの乙女の忍ぶ恋

アンナ・リーゼははっきり言って、幸せではなかった。初めは母、続いて父も亡くし、継母と継妹にうとまれながらの日々。話し相手になってくれるのは、仲良しのがちょうだけ。そこへ、20年近く離れ離れだった幼なじみ、ピーターが帰ってきた。片想いの相手は、ハンサムで魅力的なクリパートン子爵へと成長していた。アンナ・リーゼはうれしかったけれど、自分の服を見て涙をこらえた。こんなみすぼらしい格好とあかぎれの手で、ピーターには会えない。子爵はクリスマスに舞踏会を開き、そこで花嫁選びをするのだという。継母と継妹は興奮するが、アンナ・リーゼは愛する人の選択が悲しかった。私はピーターにとって永遠に幼なじみ。彼の花嫁にはなれないのね…。

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