小説むすび | 初恋の日のように

初恋の日のように

初恋の日のように

遠い夏。16歳のキャラはデビッドと出逢い、恋に落ちた。だが必ず迎えに来ると誓ったのに、デビッドは戦場に赴き…永遠に帰らぬ人となったのだ。キャラのお腹に赤ん坊を残して。いまは静かに暮らすキャラの前に、ある日、ひとりの男性が現れた。「キャラ」懐かしい声…ああ、デビッド!彼は生きていた!キャラの頬に涙が伝う。これが夢なら、覚めてほしくない。あの頃と変わらぬしぐさで、デビッドに抱かれ、キャラは恍惚に浸った。まるで時を取り戻そうとするかのように、甘い蜜月を過ごす二人。けれど別れは唐突に訪れた。ほどなくして、彼が姿を消したのだ。“愛している”という走り書きと婚約指輪を残してー。

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