王が選んだ家なきシンデレラ
養護施設で育った王宮図書館司書の私が、王の花嫁に?即位したての国王ヴァシリから直々に指名され、ヘリアは驚いた。ただ遠くから憧れるだけで、話したことすらないのに。平民から王妃が選ばれることは稀で、当然彼女は悩んだが、王妃として不幸な子供たちを一人でも多く救えるならと受諾した。ところが彼は結婚初夜に姿を消し、翌朝戻ると冷たく言い放った。「きみを愛することはないし世継ぎも不要。今後は指一本触れない」ヘリアはあまりに身勝手な夫の宣告に傷つき、身を震わせた。あのすばらしい結婚式の誓いのキスは嘘だったというの?