愛する人はひとり
プルーデンスがニコロスと結婚して8年の月日がたった。彼はギリシアでも有数の大企業のCEOだが、8年前は違った。倒れかけた会社を救うという目的のために、大富豪の相続人であるプルーデンスとしかたなく結ばれたのだ。しかも本当の夫婦になったことはなく、彼には複数の愛人がいる。プルーデンスはそんな関係がいやになり、離婚を切り出した。ところがニコロスの答えは予想外のものだった。彼は形だけの結婚を本物にしたいと言いだしたのだ。君が妊娠を望むなら、子どもの父親になってもいい、と。今さらどうして? 当然、プルーデンスは拒絶した。■巨匠L・グレアムの名作リバイバルです。2/15にはお手ごろ文庫より『償いの結婚式』を、3/20にはHQロマンスよりシークレットベビーがテーマの新作を刊行予定。その後も続々とグレアムの傲慢で情熱的なヒーローたちによる劇的展開のロマンスをお届けします。