キャヴェンドン・ホール 美しい約束 下
英国に恐慌の不穏な空気が忍びより、没落する貴族も出始めた。時代は変わり、インガム家でも史上初めて身分差を超えた婚姻が結ばれた。セシリーの大叔母は変わらぬ忠誠心と深い愛で夫となった伯爵を支え、伯爵の娘たちもそれぞれに真実の愛を見つけ、束の間キャヴェンドンは婚約披露や結婚式に花が咲いた。輝くばかりの婚礼衣装はすべてセシリーの手によるものだった。花嫁のヴェールを直してやりながら、セシリーは涙を押し隠した。マイルスへの想いは変わらないが、彼との結婚は叶わないーセシリーの愛だけは、不毛なままなのだった。
関連小説
キャヴェンドン・ホール 美しい約束 上キャヴェンドン・ホール 美しい約束 上
ヨークシャーに壮大な館キャヴェンドン・ホールを構える伯爵家インガム一族と、代々仕えてきたスワン一族。両家の固い絆は、時に忍ぶ愛をも生んできた。セシリー・スワンもその一人で、幼いころ伯爵家の嫡男マイルスと将来を誓い合ったが、身分差という壁に阻まれ、結婚は叶わなかった。以降心を閉ざし、ロンドンで仕事ひとすじに生きてきたセシリーに、キャヴェンドンから思いがけない依頼が舞い込む。マイルスと二人で、ある催しを取り仕切れというのだ。それは、当代伯爵とセシリーの大叔母の、許されるはずのない結婚式だった。壮大なヒストリカル・サーガ第2弾。 2017/07/14 発売