小説むすび | 侯爵と麗しのサファイア

侯爵と麗しのサファイア

侯爵と麗しのサファイア

愛してしまったのは、永遠の愛を誓ってはくれない人。
ロマンスの名手L・ヒースが情感豊かに綴る、切ない愛の一幕。

マティルダはその午後、ハンサムな来訪者に厳しい視線を向けていた。妹の求
愛者として現れたレクストン侯爵は、英国社交界最高の花婿候補と謳われ、家
柄も立ち居振る舞いも完璧だ。しかし、かつての自分のような不幸な結婚をさ
せないため、マティルダは二人の外出にお目付役として同行する。完全無欠な
侯爵の、不適切な一面はすぐに明らかになったーー冬空を思わせる青い瞳はマ
ティルダに向けられるときにだけ、暗く官能的な熱を帯びるのだ。危険な男性
だ。妹にはふさわしくない。憤りつつも、彼のまなざしに体は熱くなって……。

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