小説むすび | ブラックメイル

ブラックメイル

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訪れた城で、リーはショーヴィニー伯爵ことジルと再会する。
6年前の夏、16歳のリーは端麗な美貌のジルに幼すぎる恋をした。
だが純粋な想いは、いつでもちょっとしたことで汚される。
ふたりに嫉妬した友人が、リーの字体をまねて、
潔癖なジルにいかがわしいラブレターを出したのだーー。
今だにリーが書いたと信じる伯爵は、蔑みの色を浮かべ、脅した。
君は僕と結婚するんだ。さもないとあのコピーをばらまくと。
さらに、これは愛ではない、単なる欲望だともつきつけられて、
古傷をかきむしられたリーの心は、声にならない悲鳴を発した。

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