小説むすび | 涙の結婚指輪

涙の結婚指輪

涙の結婚指輪

ドミニの美貌に目をつけた、社長ポール・ステファノスが秘密裏に、ある取り引きを持ちかけてきた。ぼくと結婚すれば、きみの従兄が横領した証である小切手を燃やし、すべてをなかったことにしよう。代わりに純潔を差しだすように、とギリシア人は囁いたのだ。両親を亡くしたドミニを、伯父は娘のように愛してくれた。その息子の罪を自分が贖わなければ、優しい伯父が窮地に陥る。「ぼくがきみを買うんだ」熱を孕む瞳で男に見つめられて、ドミニはただ身をふるわせ、頷くことしかできなかった。

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP