小説むすび | 愛のうずしお

愛のうずしお

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モルウェンナは、父カースレイク卿と兄を一時に失うと、爵位も領地もすべてを父の従弟に剥奪された。一文無しの彼女を親族は煙たがり、藁にもすがる想いで、亡き母がこよなく愛した故郷、トレヴェンノン一族が住む崖の館をモルウェンナは訪ねるのだった。ところが母の娘だと告げると、出てきた館の後継者ドミニクは、美しい唇を皮肉に歪ませ、何をしに来たと言い放ったのだ。モルウェンナはまだ知らなかった。この荒涼たる地で、母が禍を起こし、ドミニクから蔑まれているということを。

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