小説むすび | 若すぎた伯爵夫人

若すぎた伯爵夫人

若すぎた伯爵夫人

18歳のとき、エミリーはイタリアの伯爵ラファエレと結婚した。亡き父の遺言どおり、21歳になるまでの便宜上のもので、それは名ばかりの結婚だった。初夜でさえ別々の寝室で、指一本触れようと彼はしなかった。エミリーは愛していたのに。3年が過ぎても、愛人たちと浮き名を流し続ける夫に耐えかね、エミリーは、この婚姻自体を無効にするよう要求した。しかし、それを夫は裏切りと受け止めた。彼の逆鱗に触れたのだ。怯えて逃げ込むエミリーを彼はたやすく追いつめ、捕らえてー「これで夫婦になるんだ。誰もが認める夫婦に」と唇を貪った。

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