小説むすび | 背徳の花嫁

背徳の花嫁

背徳の花嫁

「きみは自分が何をしたのか、わかっているんだろうな!」
激昂したヘラクリオンに体を揺さぶられながら、
花嫁の長いベールを脱いだフェニーは罪悪感に苛まれていた。
神の前で結婚の誓いを立てた相手が美しい婚約者ペネラではなく、
地味でさえないその従妹だったとわかれば、激怒して当然だ。
でも、奔放なペネラは恋人とアメリカへ逃げてしまった。
そして私は、ひそかにヘラクリオンを愛していたのだ……。
フェニーはエーゲ海の島に立つ白亜の豪邸に迎え入れられた。
男の子をひとり産み、その子を置いて去れという条件のもとに。

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