小説むすび | ドストエフスキ-とカント

ドストエフスキ-とカント

ドストエフスキ-とカント

著者ゴロソフケルは小説における父親殺しの犯人は誰かという推理小説風のテーマに絞りながら、それをイデーのレベルで問題にしていく。真犯人はイワンの二律背反的知性に潜む〈悪魔〉ではなかろうか?その推論のプロセスはスリルと謎解きに満ちている。著者は言う。ドストエフスキーは西欧批判哲学の理論的知性に宿命的な悲劇性とヴォードヴィル性をイワン=悪魔の形象において描き出し、カントに代表される西欧批判哲学と決闘を行なったのだ、と。ドストエフスキー研究に新鮮な一石を投ずる野心作である。

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP