小説むすび | 朝鮮の抵抗詩人

朝鮮の抵抗詩人

朝鮮の抵抗詩人

著者

金正勲

出版社

明石書店

発売日

2023年11月9日 発売

ジャンル

苛酷な日本の植民地支配に抵抗した詩人たち。学生運動のなかから生まれた若き詩人、「満洲」地域で生を受け、二重のディアスポラとして朝鮮語の叙情性を極めた詩人……。その文学の軌跡と現代への影響を韓国・北朝鮮・中国・日本の文学者・研究者たちが描く。
 まえがき

第1部 学生運動と抵抗詩人

朝鮮南部の抵抗作家、李石城を読むーー発掘の意味をこめて[金正勲]
 はじめに
 1 李石城は何者か
 2 発掘された詩から映し出されるもの
 3 日本の思想家から朝鮮の思想家へ
 4 『堤防工事』のテーマと意義
 おわりに

『堤防工事』[李石城(金正勲 訳)]

朝鮮植民地期のアナキズム独立運動[亀田博]

鄭瑀采の活動と詩篇に表れる抵抗精神[金正勲]
 はじめに
 1 鄭瑀采の成長過程と文壇デビュー
 2 「醒進會」活動と投獄
 3 凄絶な生きざまの現場と自我省察の歌
 4 詩文にみられる抵抗精神
 おわりに

歴史的人物、朴準埰の書き残した詩篇に関する考察ーー早稲田大学留学時代の作品を中心に[金正勲]
 はじめに
 1 詩ノートの実物
 2 家族愛と故郷愛を描いた詩
 3 早稲田大学留学時代の詩
 4 抗日的抵抗詩
 おわりに

朴準埰の発掘詩紹介[金正勲 訳]

第2部 抵抗から独立へ

尹東柱ーー詩による抵抗の充実と苦悩[愛沢革]
 1 尹東柱の詩を新しい眼で読みなおすことが問われている
 2 尹東柱は情感偏重の抒情詩人ではないーー金時鐘による尹東柱批評の意味
 3 尹東柱と宋夢奎

李相和ーー抵抗と復活の世界性[佐川亜紀]
 1 代表作「奪われた野にも春は来るのか」の生命表現ーー女性表象をめぐって
 2 世界的な問い
 3 虐げられた人々への共感
 4 作品「詩人に」--創造への呼びかけ

植民地時代の朝鮮における『国民文学』[渡邊澄子]

二重のディアスポラ、尹東柱[崔一]
 1 尹東柱の発見
 2 「満州」という空間と韓民族アイデンティティ
 3 「満州」の不在と抽象的な故郷
 4 「二重ディアスポラ」の漂流する故郷
 5 「国民」という記標を持つ者と持っていない者

尹東柱の児童詩とその文学史的意義[金萬石]
 1 尹東柱の児童詩学習と創作
 2 尹東柱の追求した児童詩の形態
 3 尹東柱児童詩の思想・美学的価値
 4 結論

李陸史の文筆活動と詩[ハン・ジュンモ]

歴史における詩的参与[文炳蘭]
 1 詩の機能
 2 歴史と詩人
 3 真実の詩と虚偽の詩

第3部 付録・関連短文

 李石城の新発見日本語詩稿に出会ってーーその驚きと感動の言葉[金正勲]
 雪の降る凍土にも花は咲くかーー出来損ない息子の想父曲[李明翰]
 李石城ーー抵抗詩から抵抗小説へ[金正勲]
 朴準埰の発掘詩ーー「KBSラジオインタビュー(光州放送局)」[金正勲]
 鄭瑀采の生涯と文学[金正勲]
 朝鮮近代文学のパイオニア、趙明熙[金正勲]

 あとがき

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