王朝漢詩叢攷
和漢比較文学研究の基本的論集。勅撰漢詩集の成立をめぐる論、『菅家文草』の本文の誤写を指摘し、道真漢詩の解釈に新たな三論、書の「三蹟」と漢詩世界との関わり、見過ごされてきた『屏風土代』などの表現を解読する二論、『本朝無題詩』『中右記部類紙背漢詩』と『白氏文集』の関係を明らかにする二論、漢詩の多様な飲酒詠の表現世界の特質を論じ、白詩と比較対照する二論を収録。また、王朝漢詩と海外をめぐる二論では、朝鮮半島や宋朝との関係から東アジア世界の交流に注目し、「筧」をめぐる漢詩と和歌の表現の相違に視点を当て、近代詩歌(若山牧水・高村光太郎)と漢詩の関係の論を所収。