小説むすび | 姜善奉詩集 小鹿島の松籟

姜善奉詩集 小鹿島の松籟

姜善奉詩集 小鹿島の松籟

小鹿島(ソロクト)は朝鮮半島の南端の小島で、日本が朝鮮を植民地支配していた当時、ここにハンセン病者を隔離・収容する療養所を設置した。著者は1946年、ハンセン病であった母とともに8歳でここに隔離され、13歳で自らも罹患した。植民地時代を受け継いだ療養所の生活の過酷さ、母から引き離された悲哀と自らの発病の苦悩……。これらを著者は後年、詩によって表現した。療養所での厳しい生活や、困難のなかで自らの道を切り開いてきた著者の姿が生き生きと浮かび上がってくる。
序詩 老姑壇(ノコダン)

●第一部
自序1
泡沫人生
あのころ
風浪の海路
そこでの最初の日
母子離別
保育園
愁嘆場(スタンジャン)
還 元

●第二部
自序2
小鹿の松風
ムカイの家
中央公園
小学校
付添人
そ こ
騒擾事件
DDS1
DDS2
人として
脱出の冒険
苛性ソーダ
朴さんの死
小 舟

●第三部
自序3
進 学
私の詩
先生だと
感謝の人生
夢の話
小鹿島の松林
月夜に
亡き者との別れ

●第四部
自序4
生の終わり
歳月の痕跡、小鹿島
視 線
乞食に青柿
永遠に お前と私はともに
冬の大雪
小鹿島連陸橋
わたしは
立ち止まらないよう
希望の村
わらびーー済州島へわらびを採りに
ススキの花
千年の飛揚島(ピヤンド)
小 石
私の人生

●第五部
自序5
ヨーロッパヘ
パリにて
ルツェルンの時間
ティトリス、雪山三二三八メートル
白頭山(ペクトゥサン)
長白瀑布(チャンベクポクポ)
シドニーの祭り
ニュージーランド
地の果てーーポルトガル
コルクの木の悲しみ
フェズの道
ジプシーの舞
月桂冠
ガウディの痕跡を訪ねて
月出山(ウォルチュルサン)
耽津江(タムジンガン)ダムに立って
追 憶
内蔵山(ネジャンサン)の紅葉
正東津(チョンドンジン)駅
寂しいその島
待たねば

エピローグ 自分を見つめなおし 人生を振り返って
推薦のことば 悲しみと涙のなかから愛と幸福がこぼれ出てきます/蔡奎泰(チェギュテ)
解説 小鹿島について/川口祥子
訳者あとがき
著者 姜善奉について

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