オキヌさんの物語
1880年春、ロシア海軍の士官ココフツェフは長崎寄港の折、稲佐の芸者オキヌに出会い、恋におちる。甘美な日々、別離、そして再会…。日露戦争からロシア革命へと時代が激しく変貌をとげるなか、2人を待ちうける運命は?日本海海戦におけるバルチック艦隊壊滅の模様、失意のココフツェフが彷徨う革命直後のシベリアの描写など、読みどころも多く、息もつかせぬストーリー展開は、読者を飽かすことがない。歴史の転換期に生きた男女の運命を描いてセンセーションを巻き起こし、発表と同時にまたたく間に店頭から姿を消したというベストセラー小説の本邦初訳!