世直し忠介 人情帖 (1)
南町奉行矢部駿河守が罷免となり、配下の大川忠介は一切の行きがかりを捨てて自ら浪人となった。ふらりと町に出た忠介は、やくざ者に追われるお美也を助けるが、寝床のあてがなく、うどん屋で出会った善助の家に招かれる。しかしそこは、悪党浪人たちの巣窟「はだか長屋」の一軒だった。新参者の忠介たちから金を騙しとろうとする住人たち。欲にまみれた長屋ではあったが、彼らに人間としての生きる術を教え、仕事や役目を与えていくうちに、ごろつきたちは心を入れ替え、忠介とともに命がけで面倒ごとを解決していく。