小説むすび | それぞれのうしろ姿

それぞれのうしろ姿

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B T S のR Mが投稿した
話題の韓国エッセイ 待望の邦訳!
しばらく立ち止まってしまっていたあなたへ。
スケッチブックにつづられた「あらたな視点」をもたらす言葉たち

<著者のことば>
芸術家は、ほとんどの時を
沈黙のなかで、
事物と対話をつづけながら過ごしている。

木を削りながら素材と語り合い、
絵を描きながら左手と右手が対話する。

この無言の会話がふと途切れ、
静寂が流れるとき、
事物はささやきはじめ、
それぞれの物語がたちあがる。
ーーアン・ギュチョル


<本文 植物の時間 より抜粋>

花木だけでなく、冬はあらゆる草、虫、雑草までもが
変わらぬ姿で厳しい時間を耐えている。

だが、わたしたちには、それらを憐れむ資格があるだろうか。
その小さなものたちが無慈悲な自然にあらがわず、
岩のように黙々とときを待っているのに、
わたしたちはなぜときを待てずに苦悶し、葛藤するのか。

虚しさを何かで埋めるために、じっとしていられないわたしたちの焦りは、
植物たちからしたら滑稽に映ることだろう。

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