アマディス・デ・ガウラ(下)
不義の子アマディスのオリアナ姫との別離。
「緑の剣の騎士」としての苦難。怪物エンドリアゴとの死闘。
オリアナ姫との再会ならびに
「美貌の息子・エスプランディアン」の誕生など
「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」の頭を狂わせた
スペイン最古の騎士道物語の大長編、後半。
「…アマディスは勇猛なる恋する騎士たちの指針、明星、
太陽であって、恋と騎士道の旗印のもとに戦うわれらは、
すべからくそのすべてを真似るべきである。
そう言う次第であるから、友達のサンチョ、アマディスを
もっともよく真似る遍歴の騎士こそが騎士道の完成にもっとも
近くにいるとわしは考えるのだ。この騎士が分別、勇気、度量、
忍耐、ゆるぎなき愛を端的に見せたのは、オリアナ姫に疎まれて
ペニャ・ポブレに身をもって苦行に身を投じたときだった。」
(セルバンテス『新訳 ドン・キホーテ』第25章より)
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『ドン・キホーテ』の原点…「ドン・キホーテ・デ・ ラ・マンチャ」の頭を狂わせたスペイン最古の騎士道物語。 ガウラ(フランス)王とスコットランド王女との間に 生まれた不義の子「アマディス(アマデウス)」についての 物語「アーサー王伝説」につらなる、全ヨーロッパを舞台に したアマディスとオリアナ姫との禁断の恋と 各国との死闘を描く奇想天外な伝説の書、大長編、前半! 本邦初訳! 「ドン・キホーテはまだ眠っていた。…ニコラス親方がまず 手渡したのは『アマディス・デ・ガウラ 全四巻』であった。 司祭が言った。 「はて面妖な。聞くところによると、この書物こそが スペインで印刷された最初の騎士道本であって、ほかのものは これを手本とも模範とも仰いでいるそうな。 邪悪なる教義を説く一派の祖師であれば、迷うところなく火刑じゃ。」 「いやいや」と親方が言った。 「この分野の書物で最良の出来だとも聞いておりますよ。 最高傑作として許されるべきですな。」 (セルバンテス『新訳 ドン・キホーテ』第6章より) 2019/09/17 発売