ブルトンの手法を完璧に凝縮した最高傑作。『ナジャ』『通底器』に比肩される『狂気の愛』は、その難解さのゆえに、本邦初訳を本書の出現まで待たねばならなかった。フーコーの「狂気の理性」に通底する問題作。新装登場。
〈愛〉がひきおこす困難と栄光。ロンドンとパリで開催された2つの国際シュルレアリスム展にはさまれた1937年に刊行された『狂気の愛』は、ブルトンがもっとも精力的な仕事を展開していた時期に当る。〈狂気の愛〉というテーマはフーコーの〈狂気の理性〉と通底する。絶対的な愛が現実に打ち克つ愛の栄光を止揚する。 1988/09/01 発売