小説むすび | 死は誰も忘れない

死は誰も忘れない

死は誰も忘れない

リュシアンはいつも独りぼっちだった。あるとき同級生から「人殺しの子」と罵られた彼は、その夜、寄宿舎から姿を消し、付近の沈澱池に死体となって浮かんでいるところを発見された。池のほとりの地面にリュシアンはこう書き残していた。-僕の父は人殺しではない。第2次大戦中のレジスタンス運動について調べるマルクは、かつてのレジスタンスの英雄ジャン・リクアールのもとを訪れる。彼は、戦後、対独協力者を処刑したかどで殺人の罪に問われ、投獄された過去を持っていた。人に命じられるがままに活動の深みにはまってゆき、苛酷な運命にとらわれたジャン。マルクはその背後に隠されたある人物の驚くべき裏切りが、リュシアンの悲劇にまでつながっていたことを知る。

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP