ケント家物語(1)
フランスの片田舎に育ったフィリップは、母から自分がイギリスの公爵の私生児だと知らされる。財産相続の証拠となる手紙を携え危篤の父に会いにイギリスに渡るが、正妻と嫡男に命を狙われ、ロンドンに逃げる。印刷屋で世話になるうちにフランクリンを知り、印刷、出版の啓蒙的役割に惹かれ、新大陸で身を立てる決意をする。ボストンの印刷屋は独立運動家達のアジトで、次第に彼等と深い関わりを持つことになる。ケントでの運命的な恋の行方は?ボストンで出会った新しい時代を生きる女性とは?貴族生活への夢とアメリカの民主運動の間で揺れる心の葛藤は?さまざまな歴史上の人物がフィリップと交わり数々の逸話が語られていく…。フランス〜イギリス〜アメリカを舞台に繰り広げられる大河ロマンの第一弾。
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ワシントン(後の米大統領)の英国への反乱軍兵士として、平和を夢みながら勝利のために、飢え、寒さ、病気、怪我に苦しみながらも懸命に戦うフィリップ・ケント。彼と結婚し一児を儲けるが、悲劇的な結末を迎えるアン。優しいが、弱い性格のジャドソン・フレッチャーは、ヴァージニアの大農園主の次男として生まれたが、父親の期待に添えず、初恋の人も友人に嫁ぎ、酒と放蕩の日々を過ごす。不名誉で、悩める彼が、それでも英雄になれたのは何故か?フィリップとジャドソンを結び付けることになる、美しく聡明なペギー・マクリーンは?アメリカの独立戦争を背景にダイナミックに展開する親子の、夫婦の、兄弟の、友人の、そして人間全体への愛に溢れる巨編。 1998/02/20 発売