小説むすび | 暗い館

暗い館

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出版社

大学図書

発売日

1997年1月20日 発売

おまえが今、抱いているのはおまえの死だ。おまえは、おまえの死を愛撫しているのだ。そう、そうやってもっときつく、もっと強く抱いておくれ。おまえが抱いている死は、おまえ自身になるのだから、おまえは恐くはないだろう。恐くはないはずだ。そんなにいとおしく愛撫してくれているもの。おまえの死を…屈折した若者の心と、生への歯軋り。

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[商品について] ー雪も清浄だし、寒さも清浄だ。この中で死んだら、僕の穢れも少しは許されるだろうー 《殺人、即ち完全犯罪は芸術だ》と思っているのだーー。 17歳の早春、文学青年の「僕」がはじめて親友である菊巳の家、湖の畔に佇む古風な2階建ての西洋館に訪れたとき、冗談とも付かない様子で彼はそう言った。僕は菊巳に対してどこか不穏な感情を抱きながらも、彼との付き合いは続け、西洋館を中心に巻き起こる菊巳の家族の複雑な秘め事の坩堝を垣間見ていく。--ひとりの青年の苦悩を通して自由であること意味を問い直した、19世紀のロシア文学をも彷彿とさせる哲学的小説。 [目次] 第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 第七章 第八章 第九章 第十章 著者紹介 [出版社からのコメント] 小説は人の手によって生みだされた物語であると同時に、その時代を生きる人々を映す鏡でもあり、また過去の時代の残り火から発せられる残照でもあります。本書の物語が、その世界の中に何を宿すのか、ぜひ手に取ってご覧いただければ嬉しく思います。 [著者紹介] 成澤 昭徳(なりさわ・あきのり) 昭和17年生 昭和38年 詩集『処女』思潮社刊 昭和45年 詩集『神秘』青土社刊 平成元年 小説『供犠』勁草出版サービスセンター刊 平成14年 詩集『座標系』私家版 平成30年 小説『飛鳥(あすか)伝説』文芸社刊 令和2年 戯曲『背教者』文芸社刊 2022/09/26 発売

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