小説むすび | 鉤十字の夜

鉤十字の夜

鉤十字の夜

時は西暦26××年。ヨーロッパ最終戦争において圧倒的な勝利を収めたナチス・ドイツは“神聖ドイツ帝国”を樹立、同じく戦勝国である日本帝国と拮抗しながら世界の覇権を争い続けてきた。厳格な自民族男性中心主義を掲げ、ヒトラーを軍神として崇める国家宗教“ヒトラー教”の守護者たる“騎士”たちの統率のもと、建国以前の記録はことごとく破壊され、キリスト教徒は徹底的な迫害を被り、そして女性たちもまた、男児の出産を除くあらゆる価値を剥奪された家畜に等しい存在として、ゲットーでの隔離生活を強いられていた。そんな中、従属民族であるイギリス人の技術者アルフレッドは、一人の騎士から帝国開闢の真相を物語る禁断の書物を託されるのだった…。

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