九夜
第二次世界大戦勃発間近の一九三九年八月二日、ヴァルガスの独裁政権が支配し不穏な空気が漂うブラジルの奥地で、ルース・ベネディクトに師事していた若き人類学者は、二人のインディオとともにカロリーナへと戻っていくのだが…。なぜ彼は自ら死を選んだのか?現実とフィクションの裂け目から、ある人類学者の死の真相を「あなた」に突き付ける、現代ブラジルの傑作ミステリー!
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夜夜
ベルリンの壁崩壊の夜、名のない女に殺された作家の俺は眼と化し、街に出た女を追った…。ムージル『特性のない男』、デーブリーン『ベルリン・アレクサンダー広場』、カフカ『流刑地にて』、ベン『屍体公示所』、グラス『犬の年』、ワーグナー『パルジファル』、エーコ『フーコーの振り子』、プラトン『饗宴』-多数の引用による仕掛けと冷徹な描写力とが、究極の合一「愛」を求める男女とドイツの苦悩を描き出す。ヴァルザー賞、バッハマン奨励賞、クルチウス奨励賞等に輝く鬼才の野心作。 1997/06/15 発売
夜夜
突如、大地震に襲われた“町”。道路が遮断され、15軒の家が完全に孤立した。サラリーマンの辻原、その妻で不倫中の桂子、子供を守る主婦の容子…。様々な事情を持つ人々を、「夜」が包み込む。これ以上ひどいことはないだろうと思われた。しかし完全な闇の中、人間ではない「何か」が人々を狙う。一人、また一人と犠牲者は増え…。極限下の人間の恐怖、混乱、死、そして強さをサスペンス色豊かに描き出す、パニック小説の傑作。 2018/09/22 発売