小説むすび | 都市残酷

都市残酷

都市残酷

山で生きてきた。国家など不要だった。都市の残酷に呑みこまれても、猟人の魂は生き延びる。記憶はいつも創造と壊滅の間でつなわたり。だから物語は書かれなくてはならない。
ワリス・ノカンの文章が、全球化社会に対する抵抗の線を引く。-- 管啓次郎

台湾原住民文学の旗手が描く、都市化された台湾の悲しみ。原住民の誇らしい魂が、都市化の波に呑まれ悲鳴を上げる台湾の現実。真の台湾を知るには避けて通ることのできない作品集。
目次

序 日本の読者の皆さんに ワリス・ノカン

作品舞台地図/凡例

第一部──記憶柔和

  弔い
  最初の狩猟
  長い年月のあとのある夕暮れ
  タロコ風雲録
  悲しい一日
  独裁者の涙
  野ゆりの秘密
  女王の蔑視
  失われたジグソーパズル
  死神がいつも影のごとく寄りそう

第二部──都市残酷

  奥の手
  中秋の前
  夜の行動
  タクシー
  小さなバス停の冬
  この、もの悲しい雨
  希洛の一日
  銅像が引きおこした災い
  私の小説「先生の休日」
  ムハイス
  コウモリと厚唇の愉快な時間

第三部──山野漂泊

  虹を見たか
  タイワンマス
  人と離れてひとり暮らす叛逆者、ビハオ・グラス
  父

  初出一覧

 訳者あとがき 下村作次郎

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