ハルオと立人とわたし。男女3人の共同生活は、どこか奇妙でヘンに家庭っぽい…。あらかじめ壊れたところから営む現代の最も新しい人間関係を鋭く捉えた大型新人デビュー作。第9回「海燕」新人文学賞受賞作。
ハルオと立人と私。恋人でもなく家族でもない三人が始めた共同生活。この生活の唯一の禁止事項は「同居人同士の不純異性行為」-本当の家族が壊れてしまった私にとって、ここでの生活は奇妙に温かくて幸せなものだった。いつまでも、この居心地いい空間に浸っていたかったのに…。表題作「幸福な遊戯」(「海燕」新人文学賞受賞作)の他、2編を収録。今もっとも注目を集める作家、角田光代の原点がここにある。記念碑的デビュー作、待望の文庫化。 2003/11/22 発売