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「あのとき宇宙から地球へ逃亡してきたレプリカントは、六人いたのよ」サラ・タイレルの言葉に、デッカードは愕然とした。「タイレル社に侵入しようとしてまず一人が死んだ。そして、あなたが四人殺した。これで五人、でも、もう一人、六番めのレプリカントがいた。あなたにそいつを捜しだして欲しいの…」あのめくるめく事件から9カ月、オレゴン山中の山小屋でのささやかな安息の日日も、レイチェルそっくりの女性、いまやタイレル社の総帥となったサラ・タイレルのこの言葉によって終わりをとげた。拒絶すれば、死-レイチェルの死だ!かくして、2020年8月、荒廃したロサンジェルスを舞台に、デッカードの新たなる探索が開始された。なんとしても謎のレプリカント-六番目のネクサス6型レプリカントを捜しだすのだ、愛するレイチェルを、そして自分自身を救うために…。 1996/07/31 発売
「きみが鍵なのだ、デッカード」ブリーフケースのなかから声が囁いた。きみがレプリカント反乱成功の鍵を握っているのだと…21世紀、地球を巡る巨大な軌道スタジオ、アウター・ハリウッド。忠実に再現されたLAのセットのなか、デッカードは自分の伝記映画の撮影に雇われていた。かつてブレードランナーとして逃亡レプリカントと演じた数々の死闘は、いまや都市伝説と化していたのだ。が、撮影現場に謎の刺客が放った銃声が鳴り響き、凶弾に倒れたかつての僚友からひとつのブリーフケースを手渡されたとき、デッカードは再び巨大な陰謀の渦中へと巻き込まれていった。時を同じくして、火星移民居留地でデッカードの帰りを待ち続けるサラのもとを、二人組みの謎の密使「親衛隊」が訪れていた。そして、いまだ彼女から造り出されたレプリカント、死せるレイチェルに思いを馳せ続けるデッカードへの愛憎を胸に、サラもまた一路、陰謀渦巻く地球へと向かっていった。 1997/12/15 発売