文無し男と絶叫女と罵り男の物語
千年の昔のこと、ラケツという町でとんでもない不運の元に三人の主人公が生まれた。王子として生まれたのに貧乏と悲惨という運命をしょいこんだ「文無し男」、絶え間なく絶叫し戦い続ける「絶叫女」、どこまでも邪悪でものぐさな「罵り男」。この三人、次々と混乱を引き起こし町から追い出されるはめになる。異国の町々をさまよい続け、巻き起こす大騒動数知れず…。随所に挿入されるヨルバ族の諺もとぼけた笑いを誘う。いわば神話的な時空の中に繰り広げられる、アフリカ流運命の不条理の物語。『やし酒飲み』で知られるナイジェリアの奇才チュツオーラ会心の作。