鏡の国のアリス
シリーズ既刊『不思議の国のアリス』(2006)の続編。7歳半になったアリスは、暖炉の上の鏡をくぐり抜けて鏡の国へ迷い込む。『鏡の国のアリス』原作出版150周年記念出版! イギリス本国でも未発表の貴重なオリジナル挿絵を収録。
1 鏡の家
2 もの言う花たちの庭
3 鏡の国の虫たち
4 トゥイードルダムとトゥイードルディー
5 羊の毛皮と小川
6 ハンプティ・ダンプティ
7 ライオンとユニコーン
8 「発明したのは拙者だ」
9 クイーン・アリス
10 揺さぶって
11 目が覚めると
12 夢を見ていたのは誰?
訳者あとがき
関連小説
「鏡の国」は「不思議の国」の7年後に書かれた物語である。「不思議の国」にくらべ、透明感は増し、言葉遊びの意味は深まり、物語全体が「チェス盤」の上で進行するという特異な構成となっている。より論理性が強調された「鏡の国」は、キャロルの数学者としての面目を示し、物語の完成度も高いといえる。言葉遊びと論理の展開に充分の配慮をした、新たな日本語訳の誕生である。 1988/01/01 発売
鏡のなかを通りぬけたアリスは、またまた奇妙な世界へ。おしゃべりな花たちの咲く庭をふりだしに、鏡の国を歩くアリスのまえに、つぎつぎとおかしな住人があらわれてー。「ふしぎの国のアリス」につづくキャロルの作品で、チェスゲームを織りこんで構成された、夢とユーモアにあふれたファンタジーの傑作。 1988/08/01 発売
映画「不思議の国でアリスと Dive in Wonderland」原作 【アリスは“不思議の国”だけじゃない! “鏡の国”で立派な女王になるアリスを見届けよう! 原文の言葉あそびの楽しさそのままを「新訳」で!!】 ●ここがポイント (1)さすが新訳!! 前作に引きつづき、今に息づく、美しい日本語でアリスが読めます。 難解で読みづらいなんてこと一切なし! そしてくずれた日本語でもありません。 アリスの上品かつかわいらしい台詞を楽しめます。 (2)アリスが女王になる!? チェスについての詳細な解説 物語の肝(きも)はなんといっても「アリスが女王になる」こと。 “不思議の国”はトランプの国でしたが、“鏡の国”はチェスの国。(将棋とちがってチェスはコマが鏡合わせに置かれます) つまりこの物語ではアリスはチェスの女王(クイーン)に「成る」のです。 物語はチェスの棋譜にそって展開しており、訳者あとがきでそれが詳細に解説されていて、それがめちゃくちゃ面白いです! (3)アリスの面白さはライム(韻) 本作は、とくに詩の韻を重視して訳出されています。ラストに掲載される美しい詩をもとにご説明しましょう。 [な]つ 七月の 空【青く】、 [つ]れだって船で遊べば、夢【多く】。 [の]んびり川に流れる追【憶】-- [ひ]っそりと身をよせあ《いて》、 [ノ]ンセンスのお話、夢中で聴《いて》。 [あ]きもせぬ三人の子が《相手》-- ※【 】《 》で韻がふまれています。[ ]はつなげて読むことができます。 ちなみにこの詩の訳文がすごいのは、脚韻がふまれているだけでなく、行頭の文字をつなげるとある一文がみえてきます。 近年ネットではやっている“タテ読み”を、百年以上も前のルイス・キャロルはすでにやっていたんですね。 「なつのひノあ」……。このあとどんな言葉が続くでしょう。本文でぜひお読み下さい。 (4)詳細な解説付き&詩の楽譜も! 訳者あとがきでは、ほかにも物語が生まれたいきさつや、作品に関する詳しい解説・裏話が読めます。 ・この本が出版されたころ、アリスのモデルである、実在のアリス・リドルが大恋愛していた相手とは? ・アリスが大人になるのを見まもる白の老騎士は、だれのカリカチュア? ・意味不明すぎるジャバーウォッキーの詩の「ぬなやか」は何と何の合成語?(ほかにもこの詩の用語に関する詳細な説明も掲載) アリスファンならニヤリとしてしまうこと、まちがいなし! おまけに、それぞれの詩の楽譜もついています。 「鏡の国のアリスです♪」を楽譜にあわせて歌いましょう! 1 鏡の家 2 しゃべる花々のお庭 3 鏡の国の虫 4 トゥィードルダムとトゥィードルディー 5 ウールと水 6 ハンプティ・ダンプティ 7 ライオンとユニコーン 8 「これはせっしゃの発明でござる」 9 女王アリス 10 ゆさぶって 11 目が覚めて 12 夢を見たのはどっち? 訳者あとがき 2010/02/25 発売
雪の日の午後、アリスは暖炉の上の鏡を通りぬけて、現実とは逆さまの世界へ入り込んでしまいます。 チェスの駒が歩き回り、花々がしゃべる世界で、奇妙なチェスゲームに参加したアリスは、奇妙奇天烈なものたちに出会います。トゥィードルダムとトウィードルディー、ハンプティ・ダンプティ、ライオンとユニコーン、いばりくさった赤の女王、混乱している白の女王ーー。 『不思議の国のアリス』が最初に刊行されてから150年。その続編となる本作にも、国際アンデルセン賞受賞画家イングペンが魅惑的な挿し絵を描きました。 突拍子もないユーモア、機知に富んだ韻やリズム、きらめくような言葉遊びは、新しい読者を楽しませると同時に、古くからのアリスファンへ捧げられています。カラー豪華愛蔵版。 2015/12/18 発売
鏡の向こうに見えるのは、キュートでフシギな新世界。 高山宏の新訳と佐々木マキの80点にものぼる描き下ろしイラスト(オール2色刷りり)で贈る、新訳・新挿絵版『鏡の国のアリス』 「鏡のお家へ通り抜けられたら、どんなにすてきだろうね!」 そう言いながらアリスは暖炉の上にあがっていたのですが、自分でもどうやってあがったのかわかりません。 そしてたしかに鏡が、銀色に輝くもやのようにとけてなくなりつつあるところでした。(本文より) 装丁・祖父江慎+鯉沼恵一(cozfish) 谷川俊太郎さん推薦! 鏡の国はコトバの国 アリスといっしょに 意味そっちのけでコトバたち 飛んだり跳ねたり踊ったり! ワオ! (谷川俊太郎) 2017/12/04 発売