1930年代、ナチスに迎合する富豪の両親に反発し、同性の恋人と共に中近東を旅したスイス人作家がいた。同じように世界に居場所を失い、中近東に流れ着いた人々がいた。旅先で出会った人々を繊細な筆致で描いた、さすらう魂の吹き溜まりのような短編集。
初めて性の体験をした赤線の女に淡い恋心を抱く大学生。表題作ほか、戦後の混乱の中で人生への期待に胸ふくらませる若者たちを描く、傑作ロマン集。 1990/07/01 発売