現代版ホメロス物語
古典ギリシャの情熱的普及者でアテネ市名誉市民のルチャーノ・デ・クレシェンツォが、トロイア戦役をホメロスになり代わり、16歳の若者レオンテスを介して語りつくす。5年前から消息不明の父は戦死したのか、それともトロイア人の捕虜になったのかー。この父を訪ねて上陸したトロイアで、レオンテスはいろいろな出会いをはたす。毒舌のテルシテス、俗物で搾取者のアガメムノン、残忍な暗殺者アキレウス、名うてのごろつきオデュッセウス、それにレオンテスと愛を交わすヘクタ…かの絶世の美女ヘレネにそっくりなのだが、果たして本人なのか?興味は尽きない。ギリシャ神話入門としても最適。