長崎、長崎の曼荼羅よ
韓国の詩人、金光子(「尹東柱(ユン・ドンジュ)」文学賞※受賞)が、
80年間閉ざし続けた記憶の扉を開くー本詩集は原爆
犠牲者の魂「曼荼羅」の慰霊曲であり、2歳で被爆し
父母から引き継いだ「残酷な懐かしさ」の記憶の叫
びである。
※「尹東柱文学賞」…日本統治時代の朝鮮で活動し日本で獄死
した韓国を代表する詩人、尹東柱の功績を称える韓国の代表的
な文学賞。
両親はまるで小説を綴るかのように、帰国したこと
への後悔と長崎への恋しさを耳がすり減るほど語っ
てくれた。そのため、海の向こうにある、とても恋
しく遠い長崎を、望郷として私も慕うようになった。
……あの日の証言を明らかにするため、再び光を当
てなければならない、あの日の叫びを叙事詩として
綴ったのが、本詩集の背景である。
(「詩作メモ」より)
◆韓国語の原詩付き