小説むすび | 混沌の王

混沌の王

混沌の王

呪われた一族、屋敷、怪人、降霊会、雪の密室、変人探偵とワトソン役。「フランスの新本格作家」アルテ氏が好きなものだけを詰め込んだ、同好の士への最高の贈り物。本作で、美学者探偵オーウェン・バーンズがますます好きになりました。彼の言動や推理から目が離せません。そして、最後の一行の鮮やかさに脱帽!
ーー 作家 大山誠一郎さん推薦!

●オーウェン・バーンズシリーズ第一作が待望の邦訳!


 夜、白い仮面を目にし、鈴の音を耳にしたら用心せよーー
 芸術家を目指す青年アキレス・ストックは、ロンドンで友人になった自称・名探偵オーウェン・バーンズから厄介な頼みを押しつけられる。自分の代役として、名門マンスフィールド家にまつわる呪いの調査をしてほしいというのだ。それも、依頼人の婚約者に成りすまして。
 長女の婚約を巡って愛憎渦巻くマンスフィールド家に集まるのは、やり手の貿易商とその腹心の部下、美しき夢遊病患者に高名な霊媒師……と、一癖も二癖もある面々。そして彼らは一様に、毎年の聖夜に現れて一族の誰かの命を奪うという白面の亡霊「混沌の王」の影に怯えていた。それはいにしえの伝承でなく、三年前のクリスマスにも当主の息子エドウィンが、完全な密室の中で殺されたのだという。
 そして「混沌の王」を呼び出し鎮めるための交霊会が開かれた夜、新たな殺人事件が発生しーー過去と現在の二つの「雪密室殺人」が交差する、奇想と幻影の不可能犯罪ミステリ!
※短編小冊子「怪狼フェンリル」付き。
1  死の鈴
2  奇妙な任務
3  雪のなかの人影
4  明かりが消えて
5  白い仮面
6  雪のなかの散歩
7  混沌の王
8  ドアがあいて……
9  霊よ、ここにいるのか? 
10 オーウェンの指示
11 不可能犯罪
12 最終準備
13 赤いクリスマス
14 翼のはえた死神
15 ウェデキンド警部の捜査
16 アリアドネの糸
17 次はハリーが
18 湖の幽霊
19 足は語る
20 オーウェンの謎解き
21 触らぬ神にたたりなし 
22 芸術の星のもとに
エピローグ

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP