紅の雪原を奔れ、エミシの娘 上の巻
「フォーッ、ホイッ!」、北の大地にいのちの雄叫びが
──列島に古代国家の狼煙が上がる頃、エミシの地に生まれた英雄譚
北のエミシの大地、これまでまったく光の届かなかった愛とひかりの物語を、ここに再生する。
国家が形を整える以前、人として飼い慣らされる前、生と死の狭間で生きられた、喜びと断念の壮大な振幅の物語を結晶させる。「日本史」として、これまで紡がれてきた歴史の大きな盲点を、人間の匂いの籠もる語りとして……。
小説『ナツェラットの男』(2014年、第24回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞)でイエスの生きざまを語った、著者渾身の「北の古代史秘話」。
上の巻 目 次 下の巻
巻一 悪霊の呪い 巻四 氷雪の檻
巻二 迫る暗雲 巻五 寒椿
巻三 劫火 巻六 白龍の舞い
「下の巻」は6月下旬刊行予定。