出版社 : ぷねうま舎
身を削って、人を励まそうとする作家、咲セリと学校への講演活動などで、懸命に語りかけるマニィ大橋、二人の実話を元にしたギリギリに優しいフィクション。NHK「ハートネットTV」でつながった生きづらい作家二人が綴る、往復書簡小説。
文明のあけぼのに、東の空に向かって朗誦された英雄叙事詩、紀元前一千年紀、ギルガメシュ叙事詩と並ぶ、創世のうた!祈る太古の人びとの陶酔と脱魂…
救われないから救いたい、そんな誰かと誰かが交われば、何かが始まる。死の淵で、なお「希望」を育むサークル、そこで起きた謎の殺傷事件を追って。愛ゆえの暴力と生き抜くことの不条理…そのあまりに人間的なヒダを描く。生きづらさのむこうへと招待する二つの物語、蜂蜜と遠吠え、ただしいクローバー。
一人の画家が、海で遺体となって発見された。死体遺棄の疑いで逮捕された男女は「魚に食べさせたかった」と猟奇的な供述を。ミジンコを描く書字障害の征司。トランスジェンダーのベリー。カルト教団で育ち、かなわぬ恋に焦がれる女性キリコー。三匹のミジンコが紡ぎ出す名づけようもない関係性。深い愛を求める、はみ出し者たちの生。そこには、互いを肯定しようとする限りないやさしさが…。
「私たち…死ぬために、つながってるんだよね」「…せやな」「だったら、生きてる間だけでもさ、家族でいない?」かけがえのない大切な誰かのしあわせを祈る、せつなくも優しい命の捧げもの。
巌流七十九歳、武蔵二十九歳、巌流島、決闘の真相。強き者を倒す、この一念に賭けた武芸者、巌流の生き心地とは。明智光秀、丸目長恵、そして宮本武蔵…戦国から近世へ、中世から近代へ、大きくうねる時代を背景に一筋引かれた剣の道の輝き。まったく新しい剣豪小説!
一揆の首謀者として、父親を磔台に送った又八とお雅兄妹、難波の大店を廃嫡された空翔、親殺しの汚名を負った嘉六、お家騒動から、無実の朋輩を切り捨てた定之介…。痛恨の過去とともに、災厄の巷をはいずる「ふつうの人々」。彼らに、浄土を目指す渡海がもたらしたもの、それは観音との出会いか、それとも無意味な死を死んだ者たちへの鎮魂か。時は、元禄・宝永年間、富士山噴火、度重なる大地震の巷から船出した、みたびの渡海顛末。