小説むすび | 出版社 : つかだま書房

出版社 : つかだま書房

四十歳のオブローモフ【イラストレイテッド版】四十歳のオブローモフ【イラストレイテッド版】

時間に追われる現代人よ!怠け者で何が悪い!?   四十歳を迎えた小説家・本間宗介は、ロシアの小説『オブローモフ』の主人公のように「怠け者」として生きることを望んでいた。しかし、妻子とともにマンモス団地に暮らす彼に、そのような生活は許されない……。父親として大人として逃げられない数々の日常の「事件」をユーモラスに描いた著者初の長編小説。50年前の連載時に掲載された山野辺進による15点の挿画を再録!   「みんながみんな立派な大人になるわけでもない。そういうことを知っておくのは、心おだやかに齢を重ねていく上で、とても大事なことだ」--巻末解説:荻原魚雷(文筆家)   ▶︎オブローモフ【Oblomov】:ロシアの作家ゴンチャロフの長編小説。1859年発表。貴族青年の主人公オブローモフの、才能はあるが無気力で怠惰な余計者の生活を、進歩的な娘オリガとの恋愛を通して描く。以後、オブローモフの名は怠け者の代名詞となった。(以下略)--『大辞林」第三版より ◉もくじ ●四十歳のオブローモフ  《眠り男》の眼  マンモス団地の日常  誕生日の前後  旅の空  根無し草  前厄祓い  捨て犬   後記 ●解説『大人になりきれない大人のための教養小説』荻原魚雷

引揚小説三部作引揚小説三部作

発売日

2018年4月2日 発売

「お母さん、いまわたしはどこにいるのでしょう? わたしが帰る場所はあるのでしょうか?」  こんな時代だから知ってほしいーー。  敗戦後、植民地から引揚げてきた日本人たちの  日本という国家や日本人に対する複雑な想いを。 日本の植民地だった朝鮮半島で「軍国少年」として育ち、敗戦のため生まれ故郷を追われ、その途上で祖母と父を亡くし、命がけで「38 度線」を超えて内地に引揚げてきた。しかし、敗戦から何年が経っても、心の奥底には「日本」という国家や「日本人」に対する違和感を抱え、自らを日本人でありながら「異邦人(エトランゼ)」のように感じていたーー。そんな引揚者たちの「失われた故郷」での美しき想い出、ソ連侵攻による恐怖、国家に対する幻想と崩壊、そして、不条理に奪われた「アイデンティティ」を取り戻すための葛藤……。作者自身の引揚体験を描いた『夢かたり』『行き帰り』『噓のような日常』の三作品を完全版で所収! ◉作者自身の引揚体験を描いた三作品を完全版で所収 ◉巻末解説:山本貴光(文筆家・ゲーム作家) ◉夢かたり   夢かたり   鼻   虹   南山   煙   高崎行   君と僕   ナオナラ   従姉   二十万分の一   片恋   鞍馬天狗    後記 ◉行き帰り   習志野(『行き帰り』に改題)   行き帰り    後記 ◉噓のような日常   大阪土産   三十三回目の夏   法事前の数日   花山里   夜に帰る    後記 ◉解説「帰る場所のない人類学者」山本貴光 ◉底本・初出一覧

壁の中【新装愛蔵版】壁の中【新装愛蔵版】

古書価格の高騰で「読みたくても読めなかった小説No.1」とも言われ、日本戦後文学史の中に埋没してしまった「ポストモダン小説」の怪作が、読みやすくなった新たな組版(1段組)かつ新装幀で甦る!   ドストエフスキー、ゴーゴリ、カフカ、聖書、永井荷風などを俎上に載せ、アミダクジ式に話を脱線させながら読者を迷宮へと誘い込む「インターテクスチュアリティ」の極北は……まさかの官能小説? キャンパスノベル? 妄想ミステリー? 堂々の680ページ&原稿用紙1700枚!   ◉巻末付録 作者解読:多和田葉子 作品解読:坪内祐三   ◉愛蔵版特典 1著者が愛用した落款による検印入り 2未発表作品を含む8作のレプリカ生原稿による別冊写真集(32頁)を同梱   ◎壁の中  第一部 《贋地下室》=空中にとび出した地下の延長の行き止り  第二部 『濹東綺譚』の作者と《贋地下室》の住人との対話   ◎付録  作者解読「再読 後藤明生ーー小説『街頭』」多和田葉子  作品解読「『壁の中』は素晴らしいキャンパスノベルだ」坪内祐三 ◉愛蔵版特典 1著者が愛用した落款による検印入り 2未発表作品を含む8作のレプリカ生原稿による別冊写真集(32頁)を同梱

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