出版社 : みすず書房
ミセス・スティ-ヴンズは人魚の歌を聞くミセス・スティ-ヴンズは人魚の歌を聞く
ニューイングランドの海辺の別荘に独り住む女性詩人…。ある日、若い男女がニューヨークからインタヴューにやってくる。あなたに詩の霊感をあたえるミューズはだれですか?詩人は、過去に愛した女たちや夫を想い出す。女性の芸術家にとって創造の源泉は何だろうか?サートンの小説の代表作。
風呂風呂
人民共和国成立直後の北京。舞台は小さな文学研究社。そこでは老若男女、様々な世代の職員たちが、深刻かつ滑稽な悲喜劇を演じていた…。ヨーロッパ帰りの青年研究者・許彦成と美しい妻・杜麗林、そして若い図書係の女性・桃〓@4AA8。この三人が微妙に描きだす恋愛の行方を軸にして、研究社をめぐる幾つもの男女のドラマが、時に辛辣に、時にユーモラスに語られていく。愛と政治が優雅に張りめぐらされる蜘蛛の巣としての物語。今年フランスでも訳出された、注目の一篇である。
アルバ-ト街の子供たち(1)アルバ-ト街の子供たち(1)
舞台は1934年。農業集団化、工業化を強行しながら、スターリンは党内勢力の一掃に乗り出そうとしていた。主人公サーシャは、暗黒に向かいつつある時代のなかで、他の若者となんら変わらぬ23歳の青春をおくる学生だった。しかし、大粛清の波は、サーシャとともにモスクワのアパート街に生きる若者たちを次つぎに呑みこんでいく。無数の人びとの生死をその手に握る独裁者とその体制下の生が鮮かに描かれる。
アルバ-ト街の子供たち(2)アルバ-ト街の子供たち(2)
全体主義という20世紀の暗黒をきずいたスターリンとはイかなる人物だったのか?またその時代に青春を迎えた若者たちの運命は?粛清下いわれなき罪状でシベリア流刑となり、死線をくぐり抜けてきた青年が、20年の歳月をかけて、スターリンをなま身のままに、その心理と感情の襞を探り、文学をもってしかなし得なかった〈人間スターリン〉の再現を果した。