出版社 : ステキブックス
「なんでケアマネなんかに?」--多様な福祉サービスを展開し、近隣から「福祉村」と呼ばれている社会福祉法人・敬齢会。約6年半の間、そこで各部門を経験しながら資格を取得し、いよいよ念願の介護支援専門員(ケアマネジャー)となった青井桃花だったが、勤務初日に彼女を待っていたのは理事長のそんな冷ややかな言葉だった。 そのうえ、引き合わされた同僚はちょっとクセ者揃い? 初めての利用者訪問でも満足なヒアリングができずさっそく凹み気味の桃花だったが、それでも大きな理想を抱いてケアマネを目指した彼女は夢に向かって進み続ける。 せつない恋愛小説で高い人気を誇る作家・いぬじゅんが、初めて見せるもうひとつの顔。現役ケアマネとしての経験の中から生まれた、理想と現実の狭間で奮闘する新人ケアマネの姿を借りて描く、介護の現場のヒューマンドラマ登場!!
信商デパートーーそれは長野県の信州商業高等学校で、在籍生徒総動員で行われる年に一度の大イベントである。生徒たちが模擬会社を組織し、自らの手で「信商デパート」と呼ばれる大規模販売会を企画・運営するのだ。 冴えない中学生時代に信商デパートを訪れ、その楽しさに魅せられた三浦和樹は、「ここの社長になりたい!」という野望を胸に信商に入学した……のだが、生来の内気な性格を打ち破ることができず、3年生となった今年も一社員としての参加にとどまるであろう、相変わらずの冴えない青春を送っていた。 そんなとき、密かに憧れていた教師の村松摩耶に呼び出された和樹は、彼女から「社長特別補佐」に任命される。聞いたこともないその役職に戸惑う和樹。しかも今年度の社長は文武両道に秀でた完璧少女として名高い武田晴香なのだから、自分の出る幕などどこにあるというのだろう。ますます困惑する和樹に、村松はさらなるミッションを与えた。「あの子の様子を見張って、私に報告してほしいの」と。 アイドル志望の少女と料理男子が「和食の甲子園」を目指し奮闘する姿を描いた『コイのレシピ』の著者が新たにお贈りする、実在する高校生たちによる模擬会社とその事業をモデルとした青春ストーリー!!
きっかけは大学受験の失敗だった。そのときはじめて、医師を目指していたはずの自分の将来に迷いを抱いた誉(ほまれ)は、以来、昼夜逆転のアルバイト生活を送っていた。ある日のバイトの帰り道、幼馴染から預かったまま死なせてしまった兎が目の前を横切った。兎を追ってたどりついたのは、深夜だというのに煌々と明かりを灯す銭湯・かくり湯。番台には堂々とした体躯の馬頭の男が座り、三助は狐面を被った水干姿の少年・宵(よい)。そして集まる客はーー死者の魂。実はここかくり湯は、亡者たちが死出の旅路に向かう前の一時を湯浴みして過ごす、この世ならざる銭湯だったのだ。そうとは気づかず迷い込み、不注意で壊してしまった宵の狐面の弁済としてかくり湯で雑用係として働くことになった誉は……。 2023年に「第三回ステキブンゲイ大賞」優秀賞を受賞し、丁寧な改稿を重ねた末にいよいよ発売を迎えた、心に沁みる和風ファンタジー!!
ひょんなことからソーシャルゲーム「ARK TALE」の世界に召喚されてしまったアラサー女のトワ。そこが単なるゲーム世界ではなく、この世界を観測している何者かによって、現実世界にソシャゲとして再現されたものがARK TALEだという真実を知らされ愕然とするトワだったが、それ以上に彼女を驚愕させたのはーー美少女鳥人のルイがいる! 女騎士団長のジュリアがいる! 日頃から二次創作のネタにしていた推しキャラたちが目の前に実在するという事実だった!! しかしトワが、全オタクがどんなに夢見ても叶えられないだろう現実を享受している間にも、ARK TALEの世界には異変の足音がヒタヒタと近寄ってきてーー!? 神を自称する、頼りにはなるが当てにはならない魔物のヘーゼルに導かれてはじまった、トワの異世界冒険譚(もしくは推しカプ偏愛譚)、ここに開幕!! 「第二回ラノベストリート大賞」大賞受賞作、早くも書籍化!!
DRAWS A DREAM(ドローズ・ア・ドリーム)--声優×アイドル×ストーリーが融合した次世代声優アイドルプロジェクト。夢を諦めない女の子がそれぞれの“夢の舞台”を目指していく、オーディションプロジェクトです。人気クリエイター陣によるプロデュースの元、オリジナル作品に登場する声優が舞台・音楽・モデル等マルチに活動しています。 そのDRAWS A DREAMの人気2ユニットの物語が小説になりました。 個性豊かな5人の少女が結成した自主アイドルグループ・Fenomeno(フェノメノ)のサクセスストーリー、「清く正しいアイドルグループの作り方!」(キャラクターデザイン:仁井学)。湘南を舞台に、表向きはアイドル、実は魔物と戦う巫女というふたつの顔を持つ女子高生たち・Milieu(ミリュウ)の物語、「強く密かなアイドルグループの作り方!」(キャラクターデザイン:鴇田アルミ)。それぞれのオリジナルストーリーの中から新たに生まれた書き下ろし小説2編を収録した公式ノベライズです! 「清く正しいアイドルグループの育て方!」 「あたしたちはまだ、ほんのわずかな渚を〜強く密かなアイドルグループの作り方!〜」
根拠のない自信に満ち溢れていた中学時代を経て、「何者でもない自分」という現実に気づいてしまった佐々井青磁。進学した高校では特別ななにかを求めることもなく、無為な日々を過ごしていた。ある日、友人の応援で訪れた弓道大会で、ひとりの少女に目を奪われた。小柄な彼女が放った矢は、まっすぐに的と、青磁の心を射抜いてしまった。 ちょっとしたアクシデントと友人のおせっかいで、彼女・永澤椎乃と知り合うことができた青磁。しかし彼女は不機嫌そうにスマートフォンの画面を突きつけてくる。 『直接でなく コソコソ嗅ぎ回るようなまわりくどいことしてまで 私と話したいことって なんでしょう』--話に聞いていたとおり、彼女は声を発しなかった。 声を捨てて頑なに自分の殻に閉じこもり、ひたすらに弓道を究めようとする椎乃の心を、青磁は解きほぐすことができるのか。「第一回ラノベストリート大賞」大賞に輝いた、弓道を通して描く青春ストーリー。
惑星アニンの上空百キロに浮かぶ空中庭園では、三十六日に一度魔女たちのお茶会が行われる。好みのお茶と菓子を持ち寄り、純粋に共生とは言い難い、特異な能力による人間への奉仕があってかろうじて平穏が保たれているような日常を忘れる時間だったはずのお茶会に、その日、異分子が紛れ込んでいた。アニンの二つの月に準えた魔女の二つのグループ、人間との共生を望む「リーフス」と人間を淘汰するべきと主張する「ハーバル」が袂を分かったとの報に広がる動揺の裏で、胡蘭麗(フーランレイ)は銀のナイフを、零式燕(ぜろしきのつばめ)の手の甲に突き立てた。それこそがリーフスとハーバル、そして魔女と人間を巻き込む大きな変革のはじまりだった。地上で零式燕の帰りを待つパートナー・遠野華茂(とおのかも)は、まだそれを知らないーー。 小説×音楽×ボードゲームプロジェクトとなる無国籍アクションファンタジー、ここに開幕!!
不意に訪ねた姉のアパートは、部屋の窓に目張りがされリビングの真ん中には七輪が置かれていた。姉はしどろもどろで言い繕うが、それは明らかに練炭自殺の準備であり、敦はそれを意図せず未然に防いだのだ。よく見ると自慢の美貌はくすみ自信に満ち溢れた生気は消え失せ、敦の知らない姉がそこにいた。姉は会社の上司からパワハラを受け、追い詰められていたのだった。--「第三回ステキブンゲイ大賞」審査員特別賞受賞作である表題作に加え、まるで仕方なく生きているかのように淡々と日常を過ごしていた男の前に、突然かつての想い人の娘が現れたことで起きた顛末を描いた書き下ろし作「どんどんキミに似ていく」を収録したデビュー作品集。 「姉が壊れた。」 「どんどんキミに似ていく」
尊敬する幻想文学の巨匠から娘の家庭教師として職を得た、小説家志望の青年・卓也。深い森の奥の屋敷に通い、幼く美しいその少女・幸子との交流がはじまってから、卓也の運は確かに開きはじめ、作家への糸口も掴むことができた。しかし同時に、卓也は正体不明の不穏に苛まれるようになる。あたかも森の木々が伸ばした枝や蔦に絡め取られるかのように、幸福に侵食され「いま」を見失う卓也。引き換えのように蘇る「過去」。そして最後の記憶を取り戻した卓也に、幸子が微笑むーー私を幸せにして、と。 「第二回ステキブンゲイ大賞」準大賞に輝いた超自然的ホラー、ついに刊行!
初恋も、哀しみも、温もりも。10年以上の同じ時間を生きて君とぜんぶ味わった。 ベネチア国際映画祭正式招待の映画監督、作道雄による若者の心を突き刺す青春小説。往復書簡式小説の金字塔、誕生。 手紙や文集などから構成される往復書簡式の小説。受験や就職など生活環境の変化、また東日本大震災やコロナ禍に翻弄されながらも、恋を育んでいく男女の青春を繊細に描いた感動作。企画・監修・執筆を、第79回ベネチア国際映画祭に正式招待された、映画監督で脚本家の作道雄が担当。もとは小説投稿サイト「ステキブンゲイ」でリレー小説として始まった企画。一般の小説投稿者をはじめ、小説家の中村航やいぬじゅん、俳優の中村優一などのゲスト執筆陣など、執筆者100人がひとつの物語を繋いだ。今回、作道雄と、共同執筆の伊吹一による大幅な加筆を経て、待望の書籍化。装幀は、Mr.ChildrenのMVを手掛ける半崎信朗が担当した。
「わが家の小さなできごと」を描いてきたコミックエッセイ作家の相田洋子。特に幼い三兄妹によるほのぼのエピソードやプチトラブルが好評を博し、長くシリーズとして人気を集めている。そんな洋子のもとに届いたドラマ化のオファーが、平和に思えていた家族の中に波風を立てるとは! 本の中に描かれるキャラクターの年齢から大きく離れ、すでに微妙なお年頃となった兄妹たち。とりわけ兄妹の真ん中、反抗期真っ最中の長女・桃果にはなんだか特大のわだかまりがあるようで……? たとえ家族といえども、本当の気持ちは口にしなくちゃわからない!「第一回ステキブンゲイ大賞」優秀賞を受賞した、ちょっぴりビターなホームコメディ。
進路も決まらないまま大学を卒業し、4月を迎えてしまった高柳芽美。それが気になって身が入らず、ミス続きだったバイトもクビになってしまった。日比谷のファッションビルの屋上、いよいよ追い詰められた芽美が、ついフラフラと転落防止の柵をまたぎ越えたそのときーー。「タカメ?」と、懐かしいどころか忘れかけていた呼び名を投げかけてきたのは小学校時代の同級生、ナルセだった。10年前の、飄々とした胡散臭い男子のイメージのまま成長していたナルセにペースを握られ、気づけば芽美は、彼が運営しているというサービス系のアプリで、なんでも屋のようなバイトをすることに。もう「学生」は終わってしまった。まだ「社会人」とは呼べない。なりゆきで始めた仕事をこなしながら、芽美は自分の将来を模索する。宙ぶらりんの時間を過ごす女性の、小さな自分探しを描いた、「第一回ステキブンゲイ大賞」優秀賞受賞作!
長野県に住む高校1年生の瀬野綾音は、情熱を捧げていたアイドルオーディションの最終審査に落選した半年前から空回りを続けている。新たな夢はそう簡単には見つからず、興味本位で近づいてきた友人を一喝してからクラスでも浮いている。だから今日も、使われていない第二理科室で水槽にたゆたう鯉を眺めながらひとりで弁当を食べるーーはずだった。思わぬ闖入者は、イケメン・秀才・スポーツマンで同学年でも群を抜いて目立つ存在の櫻井潤。しかも潤は手製だという弁当を差し出して、思いの丈を綾音にぶつけてきた。「一緒に全日本高校生WASHOKUグランプリに出てほしいんだ」、と。……え?--思いもよらぬ展開で「和食の甲子園」とも呼ばれる舞台を目指すこととなった、アイドル志望だった女子高生と料理上手な男子高校生の悪戦苦闘を描いた「第2回ステキブンゲイ大賞」大賞受賞作。栄冠の行方とその先は、「コイ」だけが知っている!?
お笑いの頂点を目指す女子高生トリオが出会うまでを描いた、笑いと涙の青春ガールズストーリー お笑い芸人を志して京都から単身で華月高校への進学を決めたやよい。しかし夢に向かって一歩前進したことで、逆に心に迷いが生じてしまう。そのせいで、地元に残る親友との間がぎくしゃくしてしまいーー。(「阪本やよい編」) 同じく高校入学を目前に控えた「高橋よもぎ編」「細野ゆず編」、そして本書のエピローグともコミック&アニメのプロローグともいえる、幼馴染同士のやよいとよもぎの再会、ゆずとの出会いを描く「当日編」を収録した、まさにファン必読のノベライズ作品。 原案コミックの漫画家・なまむぎ氏による描き下ろしカバーイラストにも要注目の、楽しみな1冊になっています!
内気で遠慮がちな小学生の<僕>は、夜、布団に入ってから眠りに落ちるまで想像していた。日中にうまくいかないことがあっても、想像では思い通りにできたから。 初めてできた友達・のぼる。彼らと学校生活を送るなか、「ワープができる場所がある」という噂が流れる。 「何気ない日常に油断していると、いつの間にか非日常の世界に連れ去られている。高佐くんの上品な狂気が丁寧に紡がれていました。」 若林正恭(オードリー) 「よく知っている懐かしい感情も、初めて出会う感情も、呼び起こしてくれる小説でした。まだ読みたいし、また読みたい。」 加藤千恵(歌人・小説家) 「かなしみの向こう側には、何があるのだろうーー。虚と実、ファンタジーとリアル、こちら側と向こう側。その境界で踊る才能(面白さ)に、痺れながら読みました。まだ痺れてます。」 中村航(小説家) 天然コンタクトレンズを巡る旅 スパブレ 玉依存 かなしみの向こう側 愛のある家庭教師
ファッション系インスタグラマーであり、古着屋でバイトをしている湊は、ある日、人気上昇中のバンド『ノベルコード』のボーカル蓮に誘われ、メンバーになる。湊たちは時代の流れに乗り、大躍進を遂げ、大きく変化していく。それはまるで夢の世界にいるみたいに実感がなくてーー。これから僕は、どこへ行くのだろう?人や世界が変わっても、僕らの想いは届く。 コロナ禍を生きる現役ミュージシャンが放つ渾身の意欲作 ♯1 春に鳴る音(includes 春の裏側の世界) ♯2 夏に鳴る音(includes 夏の裏側の世界) ♯3 秋に鳴る音(includes 秋の裏側の世界) ♯4 冬に鳴る音(includes 冬の裏側の世界) ♯5 春に鳴る、新しい音
それは、絶対に叶わない、誰にも言えない恋だったーー。 木下香織は二十歳の普通の大学生。友人もいて、バイトもして、片思いだけど好きな人もいる。だけど突然、気絶するように夢を見てしまう。遠い昔のような、不思議な夢のなか、もうひとりの「わたし」は、そこでも片思いの恋をしてしまう。叶うことがないとわかっている切ない恋を、誰にも言えないまま、現実と夢を生きる香織。この夢、この恋は、一体なんなのだろう。「私」ともうひとりの「わたし」が巻き起こす、ちょっと不思議な恋の物語。叶わない恋を叶える方法なんて、あるのだろうかーー。 ”切ない系ヒットメーカー”いぬじゅんの最新&最愛&最高傑作。 プロローグ 第一章 私とわたし 第二章 恋をする人たち 第三章 あなたが好きなもの、こと、人 第四章 雨が泣いている 第五章 きっと叶わない 第六章 警告音が鳴り響く 第七章 世界の終わりに似ている 第八章 そして、目覚める朝に エピローグ