出版社 : ブックウェイ
高校時代からの友人、由美と美由紀は卒業すると故郷・仙台を出て東京で看護師として働き始める。二人にとって東京は何でも手に入る夢のような街。いろいろ経験したい、きれいになりたい、美容整形もしたい……、ないのはお金だけだった。美由紀は夜の街で働き出し、次第にパトロンを求めて男達を渡り歩くようになる。そんな美由紀を心配する由美。あるとき美由紀は夜の仕事で一人の中年男性、廣一と出合う。禿げていて、容姿もいまひとつ、どう見てもさえないおじさんだったが、廣一は美由紀にぞっこん、お金を貢ぎ続け、旅行にも出かけるようになる。時が経ち、由美は高校時代にふとした縁があった男性と幸せな結婚をする。由美の結婚に負けじと焦り始める美由紀は、好いてくれる廣一は歯牙にもかけず、若い男との結婚を夢見て突き進む。しかし、その男は詐欺集団の一員だった。そして思いもかけない事件が起こるーー。
九州の福岡に住む春山俊介は妻帯者でありながら、接待の為に訪れたキャバクラの新人青木彩矢に惚れてしまう。 上司の紹介で見合い結婚をした俊介にとっては、妻よりも恋愛対象として彩矢は好みに近い女性だった。 生活の為にお金が必要な彩矢は、キャバクラで二三度会って、好意を持った俊介と関係が出来る。 だが妻帯者の俊介と独身の彩矢の間には、お互いが好きでも大きな溝がある。 約五年以上付き合い、彩矢も三十歳を迎え結婚に憧れる様になる。 俊介は、彩矢に恋人が出来た事を知り詰めると、彩矢は何も言わずに俊介の元を去って行った。 中年を迎えた俊介が……。 お互いの気持ちが交差する世界を描く作品。 本文「あらすじ」より
お馴染み静岡県警の野平一平、美優シリーズ 数々の難事件で功績が有る美優は、静岡県警では課長が出入りを許す存在で、事件の資料の閲覧も許される特権を持った刑事の妻だ。 晩秋の早朝、浜名湖の舘山寺温泉の近くの空き地で、一流企業の常務が毒物により車内で死亡。 自殺か他殺か?数日後連続で同じ毒物による死体が発見されて、連続殺人事件として静岡県警に捜査本部が設置された。 「お前達は夜の蝶では無い、夜の蛾だ」風俗で働いている女性にその様な言葉を浴びせている人物が被害者? 被害者の持っていた青酸化合物は、昭和三十年代に取引先が使っていた物だった。 自分が持っていた毒物で自分が死んだが、自殺では無く他殺。 美優が再び、一平の手を借りて事件を解決していく。 そこには権力とエロの世界に翻弄された人々が居た。 物語は数年前と現在が交差して進みます。 美優と一平シリーズでは過去最高の面白さ、絡み合った犯罪が複雑にするが、美優が見つけた偶然が事件を解明の方向に導く、そこには哀しい現実が待っていた。
この小説は面白さを添加するため、多少フィクションも入れましたが私の実体験を文章化したものです。 世の中には自分は難病を発症し、働けなくなり、親の看病、介護で生活は窮地に追い込まれている方も多いと思います。そのような方達にも私のように生きつないだ例もあることを、恥を忍んで文章化すると共に、文章の所々に、政治への批判や提案、同じく人々への呼びかけを記載しました。 私の難病「線維筋痛症」は、人によって症状は違うようですが、何時どんな形で、何処に現れるかわからない恐ろしいもので、検査も治療方法無い現状です。
食品業界の知られざる話、富山湾の宝石と呼ばれる白海老をテーマに、からくりと企業買収の作品。 老舗の業者、新々気鋭の企業を販売者側の人々の思惑で、翻弄されていく様を描く異色作。 この作品を読めば貴女は明日から、総ての加工品を疑いの眼差しで見てしまうかも知れません。 通販雑誌の編集記者、田辺恭子は別の取材で泊まった旅館で夕食に出された白海老に感動。 自分の雑誌に紹介しようと考える。 恭子には同じ食品業界の飲み友達が数人居て、その人達を巻き込んで白海老の販売を巡る裏の姿が見え隠れする。 築地の魚八水産の友川には、商売を通じた飲み仲間、生協の南浦咲子、ネット販売大手のバイヤー大崎、東進デパートの竹ノ内、そして通販画報の田辺恭子だ。 企業買収の裏側には想像もしない秘密が潜んでいた。
現代の若者が、夢の世界の幕末を高杉晋作と生きる。当時列強と恐れられた欧米諸国と対等に交渉し、また列強の言いなりになっている幕府に降伏する姿勢を見せた藩に、正規軍3千はいるなか一人で立ち向かい、最後は15万の兵力と言われた幕府軍を約4千で長州藩を守り抜いた中心人物である高杉晋作の活躍を幕末に生きた者の立場からと、現代人の立場から見ていくもの。
会社が嫌になり、人生も嫌になった男が東北へ旅に出た。 自分の住んでいる所とは、まるで別世界のように寂れた町で電車を降りる。 男は、この町で自らの命を絶とうとしていた。 あの岸壁から身を投げて…。 しかし、ひとりの少女との出会いが彼の人生を変えていく。