出版社 : ポプラ社
大きな銀杏の木に支えられるようにしてかろうじて建つ「銀杏アパート」。そこで暮らしているのは、父親のいない母娘、恋人からの暴力に悩むデパート販売員、動物としか心を通わせることができない女子大生など、ワケありの住人たちばかり。過去に傷を持ちながらも、それでも「誰か」を求めずにはいられない不器用な女性たちの、寂しくもあたたかな物語。愛しさと憎しみのあいだを行ったり来たりしながら、知らないうちにわたしたちは繋がっているー。大注目の俊英が贈る感動作!
江戸川乱歩生誕120年を記念して刊行され、テレビや新聞など様々な媒体にも紹介されて話題にもなったアンソロジー『みんなの少年探偵団』。 だが、数々の人を魅了したのは「少年探偵団」だけではない。ポプラ社の歴史において、「少年探偵団」と双璧を成す「怪盗ルパン」シリーズもまた、多くの人の読書体験に強い影響を与えてきた。 世界一華麗な怪盗“ルパン”を現代を代表する作家が描くと、どのような世界になるのかーー 子供時代、怪盗ルパンに胸を躍らせた過去を持つ作家陣が集結し、「怪盗ルパン」のオマージュ小説に挑む!
幸せのレシピ。隠し味は、誰かを大切に想う気持ちー。うつくしい高台の街にある小さな洋菓子店で繰り広げられる、愛に満ちた家族の物語。さりげない日常の中に潜む幸せを掬い上げた、心温まる連作短篇集。
遠州峰生の名家・遠藤家の邸宅として親しまれた常夏荘。幼少期にこの屋敷に引き取られた耀子は寂しい境遇にあっても、周囲の人々の優しさに支えられて子ども時代を生き抜いてきた。18歳になった耀子は、誰にも告げずに常夏荘をあとにした。バスの中、4年前のあの夏を思い出す。久しぶりに常夏荘を訪れた立海と過ごした日々-。
”正しく”なくても ”ふつう”じゃなくても 懸命に僕らは生きていく。 銭湯×シェアハウスを舞台に描く、希望の青春群像劇! どうしても就職活動をする気になれず、内定のないまま卒業式を迎えたマヒコ。 住むところも危うくなりかけたところを、東京の下町にある築100年の銭湯「刻(とき)の湯」に住もうと幼馴染の蝶子に誘われる。 そこにはマヒコに負けず劣らず”正しい社会”からはみ出した、くせものばかりがいてーー。 人気企業の内定を蹴り、気ままな愛人生活を送るマレーシアと日本のハーフ・蝶子 奇抜なファッションに身を包み、誰にも言えない秘密を持つプログラマのゴスピ 事故で片足を失ったハンサムでいつも明るい美容師の龍くん ネットベンチャーに務める、SNSが大好きなガツガツ上昇志向のまっつん 刻の湯の持ち主である老人・戸塚さんと、両親と離れて暮らすことになった小学生の孫・リョータ そして刻の湯を実質経営し、いつも中心にいながらも全てが謎に包まれた青年アキラさん 「生きていてもいいのだろうか」 「この社会に自分の居場所があるのか」 そんな寄る辺なさを抱きながらも、真摯に生きる人々を描く 確かな希望に満ちた傑作青春小説! 著者プロフィール 小野美由紀(おの・みゆき) 1985年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部仏文学専攻卒業。2011年、震災を描いた絵本「ひかりのりゅう」の発売のためクラウドファンディングを立ち上げ、2014年に出版。著書に『傷口から人生。』(幻冬舎文庫)、『人生に疲れたらスペイン巡礼』(光文社新書)がある。本書が初の小説。
北陸の漁村で育った二十歳の十兵衛は、険しい龍神参りを成功させ村に大漁をもたらす。一時は英雄となるも、初恋の君と過ちを犯して村を追われてしまう。突きん棒漁師・伝照に命を救われ、三陸で銛突き漁の修行を始める十兵衛。狙う獲物は、師の片目を奪った巨大メカジキー。
笑えなくなったら、泊まりに来てください。 「おすすめ文庫王国2018」エンターテインメント部門第1位 (選者・藤田香織氏) 『ビオレタ』の著者が贈る感動作! 祖父から大正末期に建てられた宿泊施設「ミナトホテル」の裏庭の鍵捜しを頼まれた芯輔。金一封のお礼につられて赴いた先は、「わけあり」のお客だけを泊める、いっぷう変わったところだった。さらには失踪したホテルの猫も捜す羽目になり……。 温かな涙に包まれる感動作。 ★おすすめコメント★ 文章も、主人公も、 ぴりっとキュート! ハートウォーミングな映画を 見ているかのようでした。 ーー宮下奈都(作家) この作家が好きだ! と、 大きな声で叫びたい! ーー藤田香織(書評家)
「女たちの人生が、たった一度、どうしようもなく変わってしまう、 美しくて、怖くて、きらきらした瞬間が、ここには詰まっている。 女の人生を変えるのは男だなんて、誰が決めたのさ?」 --翻訳家・岸本佐知子氏、推薦! <すべて”女と女が主人公”の短編小説集> “私”も“あたし”も自分に似合わなくて困ってる「小桜妙子をどう呼べばいい」 セックスの妙をめぐる、女二人の哀切滑稽な別れ話「Same Sex,Different Day」 これぞ究極のシスターフッド!? あるお屋敷で起きた痛快復讐劇「ばばあ日傘」 十九歳、世界一みじめなスナックのアルバイトでーー。「ときめきと私の肺を」 都会の不安な夜に出会った、不機嫌で魅力的な女の子「東京の二十三時にアンナは」 ほか全23編を収録。 名前をつけるのは難しい、でもとても大切な、女同士の様々な関係を描く。 読者の熱い支持を得たWeb連載小説に、書き下ろしを多数加え単行本化。
大学出たての新米講師が、 素人ばかりのメンバーで花園を目指す!? 名門大学ラグビー部出身だが就職に失敗し、伝手で私立櫻木学院高校の臨任体育講師となった坂田は、ラグビー部の立ち上げと花園出場を命じられ、背水の陣で挑むことに。はじめは入部希望者ゼロで悪戦苦闘するものの、奇跡的に7人制セブンズの試合で神奈川県準優勝。調子づいて夏休みの菅平合宿に突入するが……。個性的な部員たちの人間模様と成長、ラグビーの迫力と面白さ、汗と泥と涙がつまった感動の青春小説! カバーイラスト:alma
中学1年生になったさと子が入部したのは“なぎなた部”。部員不足によりさっそく廃部の危機にさらされたが、不安しかないメンバーが揃いなんとか回避。だけど部長の朝子さんから告げられた部の目標は、「剣道部を倒す」ことでー!?13歳、部活も人生も、いざ真剣勝負!
小さな活版印刷所「三日月堂」には、今日も悩みを抱えたお客がやってくる。店主の弓子が活字を拾い刷り上げるのは、誰かの忘れていた記憶や、言えなかった想い。しかし三日月堂を続けていく中で、弓子自身も考えるところがあり…。転機を迎える、大好評シリーズ第三弾!ブクログ1位、読書メーター1位、第5回静岡書店大賞、第9回天竜文学賞、4冠!
元「怪盗紳士」がご隠居として暮らし、非番の日にご近所の相談ごとで引っ張りだこの若手刑事も住む花咲小路商店街。ここにはたくさんのユニークな人々が暮らし、日々大小さまざまな事件が起こる。 今回の主人公は「花の店にらやま」を営む花乃子さんのもとに居候中の十代の女の子。人々の慶びごとにも悲しみにも寄り添う花屋の仕事を手伝うなかで、ある日ちょっと気がかりなお客さんが来店してーー。 大人気商店街シリーズ第3弾。
「僕は遙さんに、一つ嘘を吐いているー」中学三年の夏休み。ソフトボール部の引退試合に現れたのは、アメリカから一時帰国した神之内宙と、謎の女子中学生だった…。宙が数学屋を始めたきっかけ。遙との距離。すべての謎が明らかになる、大人気青春数学小説、完結編!
「茶の湯だけでも奥深いのに、 弓と剣まで納めなくてはいけないとは。 友衛家に生まれなくてよかったとしみじみ思いました。 しかし他人事にも思えない本書です。(笑)」 --武者小路千家若宗匠 千宗屋氏 「“粗茶”シリーズの世界に遊ぶことは、 小説を読む悦楽に浸ること。 夏、涼しく、冬、暖か。 いつまでもいつまでも読みつづけていたい。」 --作家 大島真寿美氏 異色の青春お仕事小説の傑作! 弓、剣、茶の「三道」を伝える〈坂東巴流〉の嫡男・友衛遊馬、二十歳。 家出先の京都から帰還するも、 家元でさえ副業しなければ家族を養えない貧乏流派ゆえ、 働き口を探してこいと言われてしまう。 建造が始まったスカイツリーの警備員に収まるが、 周囲からは「あそこの跡継ぎはダメだ」と後ろ指を指され、 ガールフレンドとの仲も“行き止まり”。 冴えない日々の中、曲者ぞろいの茶人武人にやりこめられながら、 遊馬は自分の進むべき道をぐるぐると探しつづける。 明日が見えないあなたに贈る笑えて泣けて元気になれる物語。
<内容紹介> 母のスパルタ教育により、かつて“天才卓球少女”として将来を期待された多満子。母の死後、普通に青春を過ごし、普通に就職する平凡な日々を送っていたが、新入社員の美人卓球選手・愛莉に恋人の江島を寝取られてしまう。 人生のどん底に落ち、田舎に戻った多満子だったが、亡き母が経営していたフラワー卓球クラブは赤字状態。クラブの部員も、元ヤンキーのセレブ妻、ダイエット目的の中年夫婦、オタクの引きこもり高校生、さらに妻と娘に見捨てられた元プロボクサーの萩原など、全く期待が持てない面々だった。 しかし、江島と愛莉の幸せそうな姿を見た多満子は、クラブ再建と打倒江島・愛莉ペアを目標に、全日本卓球選手権の男女混合ダブルス(ミックス)部門への出場を決意。部員たちは戸惑いながらも、大会へ向け猛練習を開始する。多満子は萩原とミックスを組むものの、全く反りが合わずケンカばかり。しかし、そんな二人の関係にも、やがて変化が訪れていくーー。 大注目の脚本家・古沢良太と人気作家・山本幸久の「ミックス」で贈る、恋と人生の再生の物語。 <プロフィール> 古沢良太 脚本家。1973年神奈川県生まれ。東海大学文学部卒業。2002年、『アシ!』で第2回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞を受賞しデビュー。 代表作に『キサラギ』、『ALWAYS3丁目の夕日』シリーズ、『相棒』シリーズ、『リーガル・ハイ』シリーズ、『デート〜恋とはどんなものかしら〜』『エイプリルフールズ』など。 山本幸久 作家。1966年東京都生まれ。中央大学文学部卒業。編集プロダクション勤務などを経て、2003年「笑う招き猫」で第16回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。著書に『ある日、アヒルバス』『幸福トラベラー』『誰がために鐘を鳴らす』『芸者でGO!』など。
新しい局長がやってきたり、面倒をみた後輩が異動になったりと、みつば局も歓送迎会シーズンに。慌しい日々のなか、「益子先生」とだけ書かれた一通のハガキが舞い込む。大事なお礼のようだが、どうみても宛先不明。しかし、秋宏は受取人をなんとか探し出そうと推理をめぐらしていく……。街を駆ける配達員と住人たちの交流を描く、人気シリーズ第4弾!
<内容紹介> 時は江戸。 火事で姉と離れ離れになった少女・梅乃が身を寄せることになったのは、お宿・如月庵。 如月庵は上野広小路から湯島天神に至る坂の途中にあり、知る人ぞ知る小さな宿だが、もてなしは最高。かゆいところに手の届くような気働きのある部屋係がいて、板前の料理に舌鼓を打って風呂に入れば、旅の疲れも浮世の憂さもきれいに消えてしまうと噂だ……。 梅乃は部屋係として働き始めるが、訪れるお客は、何かを抱えたワケアリの人ばかり。 おまけに奉公人達もワケアリばかり。美人で男好きな部屋係に、いつもパリッとしているがやたらと強い中居頭。強面で無口だが心は優しい板前、宿に来るお客を全て覚えている下足番。そしてそれらを束ねる女将。 個性豊かな面々に囲まれながら、梅乃のもてなしはお客の心に届くのか? そして、行方不明の姉と再会は叶うのか? 心温かくなるお江戸人情シリーズ第一弾! <プロフィール> 中島久枝 東京都生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業。フードライターとして活躍中。『日乃出が走る』で第3回ポプラ社小説新人賞の特別賞を受賞しデビュー。同作で歴史時代作家クラブ賞新人賞ノミネート。著作に『金メダルのケーキ』『いつかの花』など。